ジャニーズ事務所の性加害問題は氷山の一角

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    故・ジャニー喜多川氏による性加害問題の闇に光が当てられ、「知らぬ存ぜぬ」のおとぼけも、「憶測で傷つく人がいる(から黙ってろ)」の口封じも、クッサいお涙ちょうだいの三文芝居も通じなくなってるジャニーズ事務所に新事実発覚。

    “新事実”と書きながら、私の中では想定内。「やっぱりねー」という感想しか抱きません。

    もはやなんでもありのジャニーズ事務所。魚は頭から腐ります。

    異常な環境に身を置き続け、異常な事態が日常化すれば、人の感覚は次第に狂ってきます。

    そういった異常な環境は日常の、割と身近なところにうじゃうじゃあって、いわば現代社会の縮図です。

    このパワハラ・セクハラ問題をジャニーズ事務所だけの問題で終わらせず、異常な事態を長年放置してきたメカニズムにしっかり光を当てないと、いずれまた時間や形を変えて似たような問題が勃発するはずです。

    Contents

    ジャニーズ事務所とブラック部活の共通点

    一年前、サッカーで有名な秀岳館高校で起きた事件を覚えていますか?

    これをジャニーズ事務所に置き換えても、全く同じことが言えます。

    業種は違っても、腐った根っこは同じです。

    ハラスメントの連鎖

    特に運動部は上下関係が厳しく、指導者が絶対的な存在として君臨するケースが大半です。チーム内のライバルも多いため、試合に出場するには指導者に嫌われることはしたくありません。

    そのため大きな権限を持つ指導者から暴力があったとしても、声をあげにくいのです。性暴力なども同じです。

    まして強豪校であればあるほど、暴力を受けても、チーム内でのポジションを守るために我慢するしかなく、従順に従うことが処世術になってしまいます。

    仮にそれをおかしいと思って訴えても、すっかりマインドコントロールされた友達や先輩などから「我慢しろ」などと言われます。

    全体主義が強い運動部。同調圧力から異を唱えることも出来ず、たまに異議を唱えることで変わることもありますが、大体は「こういうものだから」と吞みこんでしまいがちです。

    【現代社会の闇】秀岳館問題は氷山の一角!その病理を考察してみた

    閉鎖された環境で繰りかえされるハラスメントは、高確率で連鎖します。

    この事件はコーチの暴力という形で発覚しましたが、実はコーチ以上に暴力を振るってたのは当時の監督です。コーチは監督のやり方を見習っただけにすぎず、「上がやるならオレもやる」というだけです。

    この立場が強い者から弱い者に向けられる暴力の連鎖は、生徒たちにも及びます。

    「後輩ができた!→今度は自分がやる番!」

    特殊な環境に身を置くと、自分がやられたようにしかできない人が一定数出てきて、そういう人が時と場所を変えて似たような問題を引き起こすのです。

    誰を鏡にするかでその人のおバカ具合がよくわかる典型例です。

    告発者は悪者扱い

    上下関係が絶対の縦社会では「弱い立場だからやられて当然」という人権無視の考え方が横行しがちです。それに逆らえば、逆らった者が悪という図式で、世間一般の感覚とは大きくかけ離れています。

    秀岳館を例に取れば、監督やコーチが部員を殴るのは「指導のため」だから正しいこと。
    被害を受けても「運動部はそういうものだから我慢するのが当たり前」。

    となれば、それを動画にして外部に漏らした生徒は「極悪人」扱いです。

    だから被害者側が顔出しの謝罪会見をさせられたのです。

    ジャニーズ事務所も似たようなものです。代表者はまともな会見もせず、タレントを使って火消し作業に奔走中。

    顔出しで被害を告発した人に対し

    • 「ペラペラと余計なことまでしゃべる奴らに対して言いたい。それで傷ついている奴らの人権はどうなる?」
    • 「憶測で傷つく人がいる」
    • 「無関係な人々まで傷付ける」
    • 「話したくない人の口を無理やり開かせることなく」

    などと言わせているとか。

    擁護のコメントが炎上する理由

    話したくない人の口を無理やり開かせる必要はありません。

    しかし被害の実態を訴える権利は誰にも等しくあって、その口を無理やり閉ざさせようとするのは「真の意味での人権とは何か」を知らない加害者側の発想で、勇気を持って被害を訴えた方に対するセカンドレイプを招きかねません。

    ヨイショタレントが必死になって擁護の弁を語っているけど、それらがことごとく炎上して裏目に出てしまうのは「保身や利権のために弱い者が犠牲になるのは当然」という世間の感覚とはかけ離れたハラスメントを肯定する古臭い考え方・それらを容認するずる賢い土壌がそこかしこから透けて見えるからです。

    今までなら「臭いものに蓋」をしてトラブルを握りつぶせば、表面的な平穏は保たれてきました。

    でももう限界です。あちこちから腐敗臭が漏れ出しているのですから、夢を売ることなど到底できないでしょう。

    最近ではテレビにジャニタレが出ているだけで、テレビから腐敗臭が出てしまうように感じるので、テレビは見ないようにしています。

    その他の共通点

    上記で代表的な共通点を挙げましたが、他にも共通点はたくさんあります。

    以下にざっくりとまとめます。

    • 隠蔽体質で治外法権
    • 権力者に逆らえば干される
    • 時代遅れな帝国主義
    • カルトのような薄気味悪さ
    • 周囲はイエスマンばかり

    長く見過ごされた理由

    古臭い考え方による部活のハラスメントや芸能界の性被害がなかなかなくならない理由は、独裁国家のような閉鎖された特殊な環境だけでなく、受け手側の「まぁ、そういう特殊な世界だから仕方ないよね」という諦めの意識が大きいと思います。

    所属タレントを色眼鏡で見ることはなかったものの、ジャニー氏の噂は一般人である私でさえ子どもの頃からなんとなく知っていました。

    好きなタレントがいたとしても自分とは無関係の人だし、仮にそういうことがあったとしても、「ジャニーズ事務所に限らず、大かれ少なかれ芸能界全般にそういうこともあるかもね」程度の意識で、あまり深く考えることをしませんでした。

    こういった世間の無関心も性被害を拡大させたひとつの要因です。

    許す環境があるから増長する

    それ以上に罪深いのはもっと身近にいる業界関係者です。ズブズブ関係なら一般人以上にグロい内容を見聞きしたことがあるはずです。

    「性被害は許されるものではない」と口先では言うけど、不自然なまでに追求する姿勢を一向に見せようとしない報道番組。

    「タレントに罪はない」としてジャニタレを使い続け、事務所にお金が入るシステムを変えようとしないテレビ局やスポンサー企業。

    「亡くなられた方だから、そっとしておいた方がいいのでは」と、現在生きている被害者を無視するような発言をする同業者の庇いあい。

    蒼 じゅりあ

    なにか弱みでも握られてるの?

    保身・隠蔽・忖度・見て見ぬふり…。
    このような暗黙の「権力者限定で性犯罪を許容する環境」があるから長いこと見過ごされ、その結果被害者の数だけが増え続けたのです。やっと問題視されたのが本人がいない今だなんて、なんとも言えない気持ちになります。

    「解体するならジャニーズ事務所だけでなく、性犯罪に寛容なメディアもろとも解体してくれ」という感じです。

    そうなればもっとまともな番組作り・まともな報道ができるのではないでしょうか。

    ジャニーズ事務所の性加害問題は氷山の一角

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