ネット上にはブラック部活に悩む人の書き込みが数多くあります。
特にひどいのは、部活を辞めようとすると、その部員に対して「裏切り者・身勝手・無責任」という批判をぶつけたり、「ここを辞めたら他ではもうできない」と、脅す場合もあります。
部活なんて趣味のようなもの。ならば自由意志が尊重されて然るべき。なのになぜこんなことになるのでしょう。それがこの記事のテーマです。
ただのパワハラ
辞めていく社員のをボロクソに言う会社は実在します。個人の自由意志を尊重せずに、脅しをかけたり罵ったりする時点でブラックそのもの。ただのパワハラです。
仕事の場合は雇用契約や引き継ぎ業務があるので、あまりにも突然で中途半端な辞め方をすれば批判されても仕方がない部分はあるかもしれません。
しかしその仕事でさえ辞める権利は民法627条で保証されています。
それなのにたかが趣味のサークルをすんなり辞めさせてくれないというのは、どう考えてもおかしな話です。辞めたければ堂々と辞めていいし、個人の意思決定に対して他人が口出ししていいものではありません。
主婦のスポーツサークルも同じ
私の友人も足を痛めて所属するスポーツサークルを抜けるとき、かなりひどい言われ方をされて心がズタズタになりました。それを言ったのは、それまで親しくしていた人だったので、かなりショック受けたようです。
「辞めた時のゴタゴタで、その人の本当の姿が見えた」と後に言ってました。
かつてはさんざん「仲間」だと言ってたのに、結局はかんたんに手のひら返しができる関係だっただけ。本当の友人だったら相手の状況がどう変わっても関係性を変えることはしません。
脅す方が悪い
単なる趣味なのに、なぜこのような言われ方をされるのでしょう?
「せっかく仲間に入れて教えてあげたのに」という「恩を仇で返した」的な心境になるからか。
周囲の評判を気にするあまり、「誰かが辞めた=クラブのせい?」となるのを恐れたのか。
いずれにせよ相手側に「辞められたら都合の悪い何か」があるから罪悪感を植え付けるような言葉をぶつけたり、脅しをかけたりするのです。
しかしそれはあくまでもクラブ側の都合で、相手をなじること・恫喝することへの正当化にはなりません。
まして辞めた人の悪口を周囲に触れまくなんて、自分のクラブの恥を自分で晒すようなもの。それを本人たちがわかってないこと自体が異常な世界です。
言論統制下の独裁国家のような閉ざされた狭い世界に長くいると、ブラックな考え方に同化してしまうのかもしれませんね。同化したほうがそこで生きやすいから。
だから彼女の場合はスッパリ辞めて、縁を切って正解だったのです。
辞めたければ自分の意思を尊重すべき
他にも「辞めたい」と申し出た部員がいました。
すると「辞めてしまうと、一生つきあえる友達がいなくなる」と言われて思い留まったのですが、そばで聞いてて「アホか」と思いました。
友達の定義をそもそも履き違えてます。一生つきあえる本物の友達なら、辞めたくらいで関係が消滅するはずはありません。それで離れるならその程度の関係でしかないってことです。
そもそもブラックな環境で本物の友達なんてできるはずはありません。
もしあなたが本気で辞めたいと思っているなら、どんな引き止めにもどんな脅しにも屈せず、自分の正直な気持ちにだけ向き合ってください。常識で考えれば、脅す方が悪いのですから。
嘘の言い訳はいい結果をもたらさない
本当は辞めたいのに辞める理由がない場合はどうでしょう。
そんなときは穏便に辞めることにだけ意識が注いで嘘も方便と下手な理由を考えがちになるかと思いますが、それはオススメできません。一時しのぎの嘘はいつかバレます。
むしろ余計な言葉を挟まず「一身上の都合で辞めます。今までお世話になりました」だけを毅然とした態度で繰り返すのが賢いです。下手に何かを言えば、相手に攻撃の材料を与えるだけですから。
理由などいらない
入部する時に理由を聞かれなかったのに、なぜ退部するときには理由が必要になるのでしょう。
例えばコンビニで買い物をするとしましょう。
買う・買わないは購入者の自由意志なので、買うときにいちいち「なぜ買うのか?」とは聞かれませんよね、ふつう。
買わない決定をしても「なぜ買わないのか?」とは聞かれませんよね?
退部もそれと同じです。自由意志による入退部なのですから、本来なら理由がなくても辞めたくなったら自由に辞めればいいだけの話。難しく考えるからなかなか行動に移せないのです。
考えた末の行動なら後悔はないはず
引き止め工作の中に出てくる脅しの言葉でグラつく人もいます。「今辞めたら後悔するよ」なんていうのは定番中の定番。
後悔するかどうかなんて、辞めてみなければわからないこと。どうなるかもわからないはるか先の未来より、今、目の前にある角を立てずに穏便に「辞めること」だけに意識を注ぎましょう。
どうせ言ってる本人だって、いつかできなくなる日は必ず来るのですから。
ちなみに「後悔するよ」と言われて辞めていった人を数多く見てきましたが、みなさん口を揃えて「辞めてよかった。面倒なことやストレスから開放されてとても楽になった」と言ってます。とても今、幸せそうで楽しそうです。
その理由は、じっくり考えた末に出した結論だからです。辞める決断というのはとても勇気のいること。その上で行動に移したのですから、後悔などあるはずがありません。
自分の心に正直に行動することが吉
辞める時こそそこがどういう場所か、そこにいた人の本当の姿が見えてきます。
辞めた人を悪者にするようなサークルは、変な所で結束の固い、窮屈で質の悪い集団ゆえ、長くいても何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性大です。綿密な脱出計画を立てて、何を言われても辞める姿勢を貫きましょう。以上です。