ブラック部活は逃げるが勝ち

    ブラック部活は逃げるが勝ち
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    ブラック部活はまるでカルト集団のよう。指導者から「休む=悪、辞める=悪」とマインドコントロールされた部員が、辞めたがっている部員によってたかって責め立てる行為は、「ブラック部活あるある」の典型です。

    以下の記事にその特徴がよく表れています。

    特にこの部分。

    Contents

    狭い世界での人間関係

    ブラック部活の問題が話題になるたびに、コーチ・監督・顧問による「指導」という名の行き過ぎたしごき、異常な年功序列を起因とするパワハラばかりがクローズアップされます。

    もちろん大人たちの責任は重大です。

    しかし指導者と接する時間よりも、部員同士で過ごす時間の方が圧倒的に長いことを考えると、部員同士の横のつながり——周りにいる多数派からの同調圧力にも着目しないと、問題の本質を見落としてしまいます。

    同調圧力が強い環境は質の悪い人間関係しか生まれない

    moroさんの娘さんの場合で言えば、仮に顧問から恫喝されても、友達が庇ってくれれば、せめて「一緒にがんばろう」と励ましあえる関係の仲間がいれば、まだ救いがあります。

    でも残念ながらそうではなさそう。

    日々長時間練習による拘束を強いられ、帰宅時間が夜の23時。これは仕事で言うなら過労死ラインを軽く超えてる状態です。

    疲弊しきって助けを求めているのに顧問から睨まれ、部員たちから責め立てられる。

    そんな孤立無縁の状態で伸び伸びと部活をエンジョイできるかといえば?

    難しいでしょうね。

    同調圧力が強い環境は、正しい・正しくないは二の次です。彼らは正解が欲しいのではなく「みんなが同じで長いものに巻かれてる状態」にあればそれが正義で、黒でも白になるという厄介な思考に支配されてます。

    moroさん親子は退部の方向で話を進めていらっしゃるとか。

    競技の内容にもよりますが、もし地域型クラブチームなどに活動の場があれば、そちらに目を向けてみるのもいいかも、です。

    様々な属性の人が集まるので、視野も技術的な経験も、グッと広がる可能性がありますから。

    辞めることへの罪悪感を植え付ける

    部活は本来「任意の自主的な活動の場」です。ならば当然個人の自由意志を尊重しなくてはなりません。

    ところが実際は違います。

    辞める側が罪悪感を抱いたり、周りの部員たちから悪く言われたりします。これは学生だけでなく、かつて私が在籍した主婦を対象とするレディースチームでもこんなことはたびたびありました。

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    それにしてもなぜブラック部活の指導者は、部員が辞めるのを嫌うのでしょう。一例ですが、指導者側に向けたこんなマニュアルもあるほどです。

    「途中でやめる」ということは、次のようなことなんだよ。
    誰も君に吹奏楽部に入ってくださいと頼んでいない。自分で決めて入部した。…それなのに、やめる。
    他にもその楽器をやりたい人はいる。その中から君は選ばれた。…それなのに、やめる。
    自分の入りたい部に入って、自分の選んだパートに入った。思いは叶えられた。…それなのに、やめる。
    先輩たちは、君を上手にするために自分の練習時間を削って教えてくれてきた。…それなのに、やめる。
    君がいなくなったぶん、音が足りなくなる。残された人たちが苦労させられる。…それなのに、やめる。
    君がいなくなったら、次の新入生は教えてくれる人がいない。未来まで迷惑がかかる。…それなのに、やめる。
    だから、途中でやめるなら、はじめから入らないほうがいい。
    「途中でやめる」と、本人も周りも傷つくから。

    罪悪感を植え付ける巧妙な手口。自由意志の尊重は基本的人権にも関わるので、「辞めたい」という意志は受け入れなければならない。

    けれどそれをされては困るから、あとで「辞めたい」と言わせないために事前に圧をかけておこうという作戦。

    他の部員にも同じようにマインドコントロールをしておけば、自分は手を汚すことなく部員が責め立ててくれるだろうという計算がミエミエ。このマニュアルは最低ですね。悪質です。

    吹奏楽部にブラック部活が多いのもわかる気がします。

    環境が人を作る

    「組織や環境が人を作る」と言われてますが、部活という組織に所属していると、各自がその中での役割を演じるようになります。

    良い組織、良い環境なら何かしらの役を担当するうちに「本当にそれっぽくなった」という具合に、本人の成長に繋がることが期待できます。

    いい子ちゃんアピール、優等生アピールする人には注意

    しかしブラックな環境となるとちょっと話が変わってきます。

    その中でも特に注意が必要なのは、正論で人を追い詰めるタイプです。

    新入部員が囚人だとするなら、それを見張る看守的な役割を担う人、という感じです。

    Moroさんの娘さんの件で言えば
    >「先輩によくしてもらったのに辞めるのおかしい。感謝の気持ちがない」
    などと責め立てるのが看守係の役割です。

    この手の輩はしたたかです。ほんの少しでも足並みから外れた人を見つけ出してその人を悪に仕立て、自分の正しさをアピールしながら部内での自分のポジションを確立しようとします。

    >「私だって辞めたいのに」
    これは「どんな苦難にも耐える私」を演じているだけのいい子ぶりっ子です。

    それでいてクラブ以外の平常時はそんなに害のある人間ではないので、なかなか本質を見抜けないのですが、やはり「クラブ用の顔」を使い分けているのでしょう。

    ブラック部活には必ずこんな人が一定数いるので、うっかり本音を漏らせば痛い目に遭うこと請け合いです。

    辞めるのは逃げではない

    「途中で辞めるくらいなら最初から入るな」というのは学校側の都合。

    「この学校は何のトラブルもない素晴らしい学校です」というセールスポイントに傷がつくのを嫌うから「いじめやパワハラはありません。みな熱心に部活に取り組んでいます。退部者はいません」というタテマエに合致しない不都合な事実を作りたくなくて、生徒をマインドコントロールし、看守役に見張りをさせ、「多数派」を盾に正論で追い詰め、表面的な平和を守ろうとしているだけです。

    本当の勇気とは

    「部活を辞める」のはとても勇気がいります。その勇気がない人ほど
    >「私だって辞めたいのに」
    と文句を垂れます。

    現状を嘆くばかりで自分から行動しない人ほど愚痴や文句が多いです。

    私も退部するとき好き勝手なことを言われましたけど、今となっては「負け犬の遠吠え」程度の位置付けで、「辞めたきゃ勝手に辞めろよ」程度の感想しかありません。

    勇気を持って辞める選択をし、行動に移した。

    そのおかげでストレスから解放され、今は伸び伸びと競技を楽しんでいます。

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