楽しいはずの同窓会。でもそこに会費のネコババなど金銭に絡む不正が発覚したときの落胆は計り知れません。
筆者もそのひとりです。同窓会幹事が会計報告をせず、残ったお金を勝手に使い込んだことが発覚したのです。
幹事ビジネス・不正の経緯
先日高校時代の同窓会がありました。
会費は12,000円、85名が出席しました。数年前に1度目を、先日の同窓会は2度目です。
幹事は2回とも同じ人たちで、前回も今回も会計報告をせず、こちらから残った会費についての質問をしても「ちゃんとやってるよ」とはぐらかすだけで、まともに答ようとしません。
100万を超える規模のイベントに対し、収支報告書を作成しない。残金に対する説明もない。しかも金額の割には料理はお粗末、飲み放題の割には酒が途中でなくなる始末。
「どうなってるんだろう?」という漠然としたモヤモヤを感じつつ「何ヶ月も前から準備して、幹事という面倒なことを引き受けてくれたのだから、多少は仕方ないか。お金のことは言いにくいし…」と、自分を納得させてきました。
しかしおかしいと思っていたのは私だけではありませんでした。後に「幹事グループ8人で、残った会費・約20万を勝手に山分けしたらしい」との噂が流れてきたのです。
会費のネコババは最初からの計画
そもそも「なぜ20万も?多すぎだろ」というのにもちゃんとした理由があります。
会費を多めに設定したのは余剰金を出すためで、最初から余剰金のネコババを目論んでいたのです。(表向きはドタキャン対策としてますが)
それを聞いたときの正直な気持ち、それは、薄々感じてた疑問に対し「ああ、やっぱりね」という残念な納得感と、「いくら幹事という大変な仕事をしたとはいえ、自分の金と他人の金の区別もつかないような人は信じられない。同級生から集めた金を無断で使い込むなんて最低」という、同級生だからこその失望感が交差して、不快な気分になったのは言うまでもありません。
そしてもっと不快なのは、幹事たちは不正どころか「ご苦労様代」だから当たり前、使い込みは幹事として当然の権利くらいに思い込んでいる傲慢さがありありと感じられることでした。
以下の記事によれば詐欺罪や横領罪にもなりかねないというのに、図々しいにもほどがある。
不正を働いた幹事にどう伝える?
さて問題はここから。
幹事グループは今のところ、自分たちのしたことが周囲にバレていることはつゆ知らず。
私は幹事ではありませんが、幹事グループの何人かとはふつうに話ができる関係なので、「今からでも会計報告をして、返すものはちゃんと返した方がいいのでは?」と提案することができる立場です。
しかし、その伝え方が難しい。
今までだって会計の明細を出そうとしなかったのだから、やんわりとした言い方では適当に交わされるのは目に見えている。
かといってキツい言い方をすれば、後々気まずさを残すことになる。もちろんそんな相手と個人的な付き合いをするつもりはさらさらないけれど、同級生である以上、何かで顔を合わす機会はあるわけで。
さて、どうするか?
幹事の報酬は必要か否か?
そこで他の人の意見も聞いてみることに。すると意見はバラバラです。
幹事としての報酬は当たり前と考える人は、「やってくれているのだから、あまり騒ぎを大きくしない方がいいのでは?」という人あり。
もちろんそう考える人がいても当然です。しかしこれには残金の額が多すぎることから反対意見が数多く出ました。
数千円程度の額なら幹事たちの裁量で使い道を勝手に決めてもいいとは思うけど、さすがに20万は多すぎる、というのがその理由です。
汚いやり方に怒ってる
また幹事は、出席者に対して収支報告もせず、残金の使い道についての了解を得ることもなく、勝手に自分たちの懐に入れ、数人の幹事グループだけで打ち上げと称して飲み食いに当てたわけですから、「なにやってるの?」となるのは当然です。
「”有志”として自分から引き受けた以上、報酬を目的にするのは筋が違うのでは?
報酬云々と言うなら、こんな汚いやり方をされるより、幹事代行業者にでも支払った方がよほどスッキリする」という人あり。むしろその方が誰に対しても公平かも。
要するに「騒ぎだてするな派」は、人間関係重視で臭いものに蓋をしてでも日和見でいたい事なかれ主義の人たちです。
報酬と不正会計は別問題
一方反対意見を唱える人は、同級生だからこそお金のことはきれいにした方がいいと考えるタイプで、筋が違うことを嫌うタイプです。
「報酬が欲しいなら堂々と要求すればいいのに、コソコソやるのは違うでしょ?」ということで、私も後者の意見に賛成です。
そもそも「幹事さんは頑張ってくれてるんだから、みんな多目に出しましょう」というノリも嫌だし、幹事の大変さなど全く話題にはしてなくて、ここでみんなが言ってるのは詳細の説明についてです。話の筋を履き違えるなって感じ。
そこで幹事グループには親しい人から上記の意見を伝えてもらい、過去の分も含めた収支報告書の作成と、全出席者への返金をするよう求めることにしました。
相手の出方は今後のリトマス試験紙になる
とはいえすでに飲み会で使ってしまい、お金はないのですんなり応じるかどうかはわかりません。
まともな人なら収支報告書の提出に応じるはずですが、自分の立場でしか物事を考えられない人なら逆ギレして文句で返してくるでしょう。
「お金に拘る人間だとは思ってなかった」「信用してくれないなんて」「幹事は大変なんだ」「幹事やってやってるのに文句とかないでしょ?!」「皆からちょっと多く貰ってもバチ当たらないんじゃない?」などなど。きっと猿と会話してるような気分になりますよ。
しかし、いくら罪悪感というものを持ち合わせない人であっても、みんなにバレた今となっては自分たちの分が悪いことだけはわかるでしょう。
さあ相手はどう出るのか?
今後の付き合いを考える上での判断材料になるので、相手の出方をしっかり観察しましょう。
金銭トラブルの少ない同窓会のやりかた
こんなこともあって、私たちの反省も大いにあると痛感しました。
これまできちんとした同窓会ルールというものを作らずにきたため、お金の取り扱いその他についてなあなあになってしまったこと。大きなイベント主催者の立場を、お金にルーズな人たちに安易に与えてしまったことなど、数え上げればキリがありません。
そこで以下の提案をしました。
また今回なぜ多めに集めたかと言えば、前回ドタキャンが発生したことで赤字になりかけたため、次は多めに集めようというのがその理由です。
しかし今回は幸いにもドタキャンがなく、上乗せした分がそっくり余剰金となり、そのお金が幹事の懐に入ったのです。
そのため、あるかもしれない・なければラッキーというドタキャンの準備には別予算を立て、極力余剰金が出ないような予算を算出する、などの提案もしました。
そもそも他人のドタキャン代を、他の出席者に肩代わりさせるのがおかしな話ですからね。
同級生だからこそお金のことはきれいに扱おう
以上が同窓会トラブルの顛末です。
きちんと報告をすれば手間賃を認めてくれる参加者がほとんどだと思います。
それなのに不明瞭な会計にして、参加者の信頼を失うことになってしまったのは本当に残念としか言いようがありません。
友人関係にヒビを入れてまでそんなセコイやり方をして、いったい何になるんだろうと感じました。失うものが大きすぎます。
もっとも「今だけ金だけ自分だけ」という人は、もう人間ではなく妖怪とか餓鬼とかそういう悍ましいものになっちゃってるから、失うものの大きさなど考えられないのかもしれませんけどね。
個人的な飲み会とは違い、学年単位の同窓会は大人数で行われるため、幹事さんの労力は計り知れないものがあります。
「こんなに大変な思いをしたのだから、少しくらい報酬があっても当然でしょ!」と思うなら、収支報告をする際に報酬を得ることについての同意を得てください。
そこでもし反対されたら潔く報酬は諦めてください。幹事はあくまでもボランティアとしてのとりまとめ役でしかないのだから。