人が離れる環境とは変化を拒む姿勢にある

    人が離れる環境とは変化を拒む姿勢にある
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    福井県池田町の区長会がまとめた「池田暮らしの七か条」が話題を集めてます。

    これは移住者への提言として広報誌に掲載されたもの。

    「都会風を吹かさないよう」「品定めされることは自然です」といった強めの表現が問題になっているようです。

    この提言を掲載した意図は、小さな田舎町に根付く慣習と、田舎暮らしを夢見てやってきた移住者とのギャップを解消したいとの思いからだそう。

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    甘い言葉を並べるよりマシ

    私は「人生の楽園」みたいな「まるでユートピア!悠々自適の田舎暮らし」をアピールするより「過疎は止めたい。でも私たちの生活は変えないし新参者の意見は聞きたくない。今までこれでずっとやってきた。品定めもする。労働力は欲しいから、それでもいいなら作業員として受け入れてあげてもいい」と、きれいごとだけでなく事前に本音をちゃんと伝えておいた方が潔いし、親切だと思います。

    移住はうまくいけばいいけど、失敗したら両者共に不幸になりますから。

    さて本題。以下の記事にも書きましたが池田町の件で人が離れる環境とはどんなものか、その理由が見えてきました。

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    滅ぶよりも変化する方が苦痛

    私が一年前に退部したとある競技のレディースチーム。

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    私が辞めた後も退部者続出。いずれは地域の連盟役員が出せなくなので新規部員を募集しようという流れになってるようです。

    それで部員が集まらなければ「連盟登録をやめようか」ということまで話し合っているそう。だからどうしても部員が欲しいということらしいですが、実は「タダ働きさせるための役員候補が欲しい」というのが本音です。

    市民センターに部員募集のチラシを張り出してあったので見たところ、池田町と同じだと思いました。

    例えばこの一文。
    「仕事をしている方もたくさんいますが、時間を作って楽しく練習しています」

    時間を作るのは新入部員てことですよね?

    他のクラブでは仕事をしている人の予定に合わせて練習日を変えるなどの工夫をして、それでも部員が集まらずに四苦八苦してるというのに、暇な高齢者は「私たちはなに一つ変えません。自分で時間を作ってください」ということですよね?

    「大丈夫」と言っておきながら入ってしまえば「あの人は仕事を理由にクラブに出てこない」「お茶やランチにつきあわない」「休んでばかりなら試合に出るな」と陰口を叩き仕事をしている人を潰しにかかる。どこが「仕事をしてても大丈夫」なんでしょう?

    要は「自分たちに合わせろ」ということで、こうなってもなお、長年培ってきた慣習を変える事が心底嫌いなんだと思いました。

    実は人を入れたくない?

    また「未経験者歓迎」と書いてあったけど、「未経験者は一から教えないといけないから面倒」なんて言ってましたよね?

    若い人が辞めた時、「下っ端が辞めたってどうってことない」と言ってましたよね?

    当時下っ端だったとしても、大事に育てれば今頃自分たちを助けてくれる存在になってたかもしれないのに……。

    ジリ貧でいずれ成り立たなくなろうとしてるのに、そんなことを言ってられる場合ですか?

    自分たちの時代遅れなやり方に固執するなら、半端に部員なんか入れようとしなきゃいいわけで、どこまで本気で部員を入れようとしてるのか、本心はこのままでもいいと思ってるのかがよくわからない「部員募集」の張り紙を前に、「ダメだ、こりゃ」と思わずつぶやく私でした。

    変化を拒めば淘汰される

    今後趣味の世界は、自分の生活スタイルにあったクラブを選ぶのが当たり前になっていきます。当然ながらそのまま消えていくクラブと、工夫して生き残るクラブに分かれていくはずです。

    時代と共に変わって行かざるを得ない世の中を理解できないクラブ、世代交代ができず、年長者が威張り散らしているクラブ、保守的で排他的なクラブは自然消滅していくのが自明の理で、魅力のないチームが淘汰されるのは止む無しです。

    驕れる者は久しからず。人が離れるには離れるだけの理由があります。でもその本質的なところは、そこにどっぷり浸かってる人にはわからないだろうなぁ。

    人が離れる環境とは変化を拒む姿勢にある

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