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【ステージ4の卵巣がん】標準治療を拒否した友人の話

今や国民の二人に一人ががんになると言われている時代。がんは決して他人事ではありません。この記事は身近な人が進行がんに罹り、標準治療を拒否して民間治療を選択した場合、周囲はどうしたらいいかという内容です。こんな記事が目にとまりました。

がんと闘っている患者が、あなたが勧めた効果のないものにお金をつぎ込んだとして、その責任を取れますか?

友人ががんに……

半年前、友人がステージ4の卵巣がんと診断され、夏からとある大学病院で抗がん剤治療を開始しました。

初期段階での発見が難しいことから「サイレントキラー」とも呼ばれる卵巣がん。がんが判明した当時は腫瘍が大きすぎて、すぐには手術ができない状態でした。そこで抗がん剤治療で腫瘍を小さくしてから手術をする。——そんな予定で治療を開始しました。

治療は順調

彼女の場合は抗がん剤が合ってたようで、回を重ねるごとに腫瘍は順調に小さくなり、心配された副作用も(投与してから2〜3日くらいは少しムカムカするけれど)吐き気どめを服用すればそれほどしんどいものではなく、比較的穏やかな日常を過ごすことができてるようです。

このまま順調に進めば年明けには手術。まだ一山、二山あるけど、まずは第一関門突破だね、なんて喜んでいた矢先のこと。

突然「抗がん剤は毒。手術してもどうせ再発する」と言い出した

先月末、友人から話があると連絡を受け、友人宅に向かいました。友人はある一冊の本を私に差し出し、「今、ここの治療院(本の執筆者が営むクリニック)に通っている。抗がん剤治療が終わったら手術をせず、ここ一本に絞ろうかと思ってる」と言い出しました。その著書を彼女に勧めたのは、知り合いの鍼灸師だとか。

これつまり「今後は標準治療を拒否しますよ」という意思表明に他ならず、そのときふと、小林麻央さんの一連のできごとが頭をよぎりました。

思いもよらない報告だったため、なんて返事をしたらいいのか。黙りこくってしまった私に彼女はこう続けました。

「免疫力を高めなければ、手術をしてもまたがんはできる。体に悪い抗がん剤は、命を縮めるだけ」

その後彼女の口から出る言葉は、医学の知識がない私でさえ「え?」と思うようなことばかり。例えば「汚い言葉を使わない、日々感謝の言葉を口にするよう心がける、電磁波を避ける」などなど、医療というより、なにかの宗教じみた教えのような文言を口にしていました。

「その免疫力をなんちゃらとかいう治療法は、今やっている標準治療と並行するか、もしくは標準治療の後に予防措置として行う選択肢は考えない?」と聞くと、黙ってうなづきました。

「治すためにどんなことでも試したい」という思いから始まったその選択を否定する権利は私にはないし、彼女がどんな決定をしても応援するのが友人としての私の立ち位置——これは、友人ががんと診断された時から決めていたこと。

だけどこの医者、ちょっと怪しい……

怪しいと感じたポイント

自宅に戻り、本の著者である医者のこと、その人が営む治療院のことを少し調べてみました。

ネットの口コミだけで判断しきれない部分があるとはいえ、悪い予感は的中。「全てがでたらめでした」「選んでいく際は自己責任ですが、よく考えて行かれてください」など、その治療院への口コミはさんざんなもの。都合が悪くなると居留守まで使う、なんて証言もありました。

その治療院のサイトも閲覧しました。どんな治療法を用いているかといえば、1.エネルギー治療、2.自律神経免疫治療、3.矢追インパクト療法、4.バイ・ディジタルO-リングテストと、素人である私にはよくわからない、聞きなれない文言が並んでいたので調べてみました。

「科学的根拠がない、そして副作用がないということ、そこからまず『怪しい』と疑わなければなりません。私は、少なくともがん治療においてO―リングテストが有用とは思えません。まずは現在治療を受けている担当医と相談するべきです。もしO-リングテストを受け、その結果で薬の量を変えるようなことがあれば、そしてそのことを担当医が知らなかったとなれば、お互いの信頼関係が崩れます。被害に遭うのはBさん自身なのです」

院長本人の文章も読んでみました。現在行われている標準治療に対する批判的な文章が、これでもかとばかり、汚い言葉で綴られていました。

(その標準治療を)利用する側も悪いよ。治療費が高額だと、「こんなに高いんだから、きっとよく効くに違いない」となるんだね。バカだよ

なんて、公式サイトに堂々と書くか?
がん患者をバカ呼ばわりするこの医者は、医者として以前に、人として信じられない。「汚い言葉を使うな」と患者に教えた本人がこれでは説得力ゼロ。

けれど友人は完全に洗脳されているようで、今がん細胞が小さくなっているのも、抗がん剤が合ってるからとは考えておらず、その治療院の教えを実践しているからだと無邪気に喜んでいます。彼女にとって今のところその教えは、心の拠り所になっているみたいです。

やりきれない怒り

この洗脳を現段階で解くのは難しいけど、自分で気づく頃には手遅れになってしまう……
かつての小林麻央さんがそうでした。自身のブログにこう書いておられます。

あのとき、
もっと自分の身体を大切にすればよかった
あのとき、
もうひとつ病院に行けばよかった
あのとき、
信じなければよかった
あのとき、、、
あのとき、、、

引用元:解放 | 小林麻央オフィシャルブログ「KOKORO.」Powered by Ameba

友人は、今ならまだ手術ができる。手術ができるということは、積極的な治療が今ならまだできるということです。諦める段階ではないということです。

ステージ4からだって、標準治療を続けて元気になった人はたくさんいる。それなのになぜ良くなった人に目を向けず、手術をする前から「どうせ手術をしても再発する」などと洗脳するのだろう?
自分の説を推すために、他をボロクソに否定する必要がどこにあるのだろう?
このやり口は、怪しげな三流信者ビジネスの常套手段ではないのか?

やりきれない怒りが沸きました。

友人としてできること

「当初の予定どおり手術した方がいいよ」と、何度言おうとしたかしれません。でも、それはすべきではないと考えました。今の彼女はきっと、それを望まないと思ったから。相手が望まないことをするのはただの自己満足で、押し付けでしかないから。

「信じて見守る」というのは難しいことだと、つくづく感じます。

当事者ではない、家族でもない、まして医学の知識がない私にできることは限られています。彼女の選択を頭ごなしに否定するのではなく、寄り添うこと。自分の思いを押し付けないこと。病気になる前と変わらず他愛ない世間話をして楽しい時間を少しでも数多く積み重ねること。どんな選択をしても応援し続けること。

これがまた、家族だったら多少は違ってくるかもしれません。もどかしいけど、これが友人としてできる(ベストではないかもしれないけど)ベターな選択ではないかと、最近はそんなふうに感じてます。

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蒼 じゅりあ
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サイト名の「Un Jour」とは、フランス語で「ある一日」という意味です。日々の記録・エッセイをまったりと綴っていきます。
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