10月2日、2度目の会見を開いたジャニーズ事務所。ジャニーズ事務所は「SMILE―UP．」と社名を変更し、被害者に対する補償業務のみを行った後に、将来的には速やかに廃業することを発表しました。
創業一族として、現在のオーナーとして60年以上もの歴史を持つ帝国に終止符を打つ決断に至るまで、藤島ジュリー景子氏には想像を絶するような葛藤と苦しみがあったことでしょう。
愛憎入り混じった藤島ジュリー景子氏の手紙
10月2日の会見中、姿を表さなかった藤島ジュリー景子氏の手紙を井ノ原氏が読み上げました。
母メリーは私が従順な時はとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。
ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやりきらなければいけないことだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたいと思います。
これを受けて、「こんな手紙、必要？」「今度はお涙ちょうだい？」「会見に出てこないなんて無責任だ！」などと厳しい意見を投げつける人がいることはネットのニュースやSNS等でいくつも目にしてきましたが、私はそうは思いません。
「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたい」
少なくともこの部分だけは、二人の呪縛から逃れたいと願う彼女の嘘偽りのない正直な思いであり、憎きジャニーと毒親メリーに対する彼女の心の叫びだと感じました。
被害者への補償全てを終わらせた後に、自分が本当に歩みたかった人生を、今度こそ自分の意志で自由に歩んでいこうという決意だと感じましたし、個人的にもジュリーさんが心穏やかに静かに暮らせる日が、一日も早く訪れるといいなと感じています。
藤島ジュリー景子氏は親ガチャ・叔父ガチャの被害者
被害を受けて人生を狂わされた方にはこのような意見はカチンとくるかもしれませんが、ジュリー氏も親ガチャ・叔父ガチャの被害者であること。自分がやらかしたわけではない、異性である叔父が好き勝手に食い散らかした性犯罪の尻拭いを、被害者のみならず世界中からジュリー氏にだけ求められていることを考えると、どうしてもジュリー氏だけを責めることはできないのです。
もちろん最初の謝罪動画で「知りませんでした」発言をしてしまったのは代表取締役としては誉められた対応ではなく、むしろ稚拙だったと思います。この初動対応によって事態は悪化したのですから。
しかし身内として、姪としてジャニーの性癖を「知りたくありませんでした＝だから知ろうとしませんでした」と言いたくなるのはじゅうぶん理解できます。
「噂レベルでは知っていた」と、その後発言に変化はありましたが、それだって、無関係の人と身内では受け止め方は全く違うと思うのです。
彼女がいつの段階でその”噂”に触れたかは本人にしかわかりませんが、年頃の女の子が叔父の裏の顔に気づいたときの絶望は、同じ女として同情を禁じ得ません。血のつながらない他人なら「やだ気持ち悪い」ですむけど、親族となればそうはいかないでしょう。現実から目を背けたくなる気持ちも理解できます。
例え知ってたとしても叔父は業界で絶大な権力を持ち、母親は狂ったようにキレまくる。なにもできなかったというのが正直なところだと想像できます。
それにしても今となっては、二人が生きてる間に何もできなかったことが悔やまれます。本当に罪深い。
藤島ジュリー景子氏の印象
創業一族は表に出ないことで知られています。特にジャニオタではなかった私がジュリー氏の顔を初めて見たのは5月の謝罪動画。その時は正直あまり良い印象は抱きませんでしたが、9月の会見でガラリと印象が変わりました。
「知的な印象があるちゃんとした人」
言葉づかいとか物腰とか、少なくとも母親・メリーの持つ下品なパワーは微塵も感じられない雰囲気を持つ女性でした。
報道でジュリー氏のパワハラや恫喝が取り上げられてましたが、仮にそれが本当だったとしても、そういう親を見て育っている以上それしか知らないから仕方がないことかもと、そんなふうにも感じました。
ただ彼女はジャニー、メリーとは違い、自分でどうにかして二人とは違う別の人格になるために被害者補償をやり切ろうと決意したのです。その思いが今回発表された手紙に集約されています。
だからジュリーさん、やりきって。いろいろ言う人はいるかもしれないけど、それに惑わされず信じた道を自分らしく歩んでいってほしいと願ってやみません。
