バカッターに捧ぐ。ネットリンチで人生を棒に振らないために必要なこと

    バカッターに捧ぐ。ネットリンチで人生を棒に振らないために必要なこと
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    「気軽な気持ちで行った”いいね!”や”リツィート”が、人生を壊す」と書かれたネットリンチについての記事を読みました。「バカ発見器」とも言われるTwitterの炎上のみならず、最近のネット界隈を見て、自分なりに感じたことを書いていきます。

    Contents

    史上最悪の炎上事件

    記事中で紹介されているジャスティン・サッコさんについては、以下の記事に詳しく書かれているのでこちらをお読みください。

    発端は、彼女がアフリカへ向かう空の旅の最中に、本当に軽い気持ちで書いたツイートだった。

    「アフリカに向かう。エイズにならないことを願う。冗談です。言ってみただけ。なるわけない。私、白人だから!」

    乗り継ぎのために降り立ったイギリスのヒースロー空港で、搭乗直前に彼女はこんな投稿をした。彼女は日頃からよくツイッターで品の悪いジョークを飛ばしており、そのときのツイートもそんなジョークの1つにすぎなかった。

    初めのうちは静かだった。彼女としてはうまいジョークを言ったつもりだったので、何らかの反応が欲しかったのだが、誰一人、コメントするものがない。彼女は寂しい思いを抱えたまま飛行機に乗り込んだ。
    (中略)
    問題となったサッコのツイートは、確かに品はあまりよくないものの、実際には人種差別を意図したものではなかった。むしろ逆で、人種差別主義者たちの言いそうなことを真似し、揶揄したつもりだったのだ。普段から彼女の人柄を知る人であれば、誤解するはずもなかった。

    「世界最大の「Twitter炎上事件」投稿者の末路」より引用

    ジョークと言われても…

    本人はジョークのつもりでも、このTweetにほんの少しでも「人種差別主義者たちの言いそうなことを真似し、揶揄したつもり」だとわからせるような言葉が盛り込まれているならともかく、これはどう読んでも差別発言と受け取られても仕方がないのでは?

    以前このTweetが話題になったとき、「人種やAIDSの話題はNGでしょ。この人、なんでこんなバカなことを言うんだろ」と思ったし、そのあとに続く「冗談です。言ってみただけ」の部分に、モヤモヤしたのを覚えてます。

    ほら、たまーにいるでしょ?無自覚に人を傷つける人。意図的に人を傷つけるより、はるかにタチが悪い。

    余計なことを言うだけ言っておきながら、分が悪くなると慌てて「悪気はなかった、そんなつもりじゃなかった。冗談、冗談。」とごまかす人を見ると、笑いながら人を斬りつけるような気持ちの悪さと、無自覚の悪意を感じるのです。

    「この人もきっと、こんなタイプなのかな?」なんて、当時そう感じたことを覚えてます。

    見ず知らずの、縁も縁もない人にまでそう感じさせてしまう。それこそが、たった140文字の恐ろしさ。「普段から彼女の人柄を知る人」には届いたとしても、世界中のほとんどの人には届きませんよ。

    自由なつぶやきどころか、拡声器で世界に向かって叫ぶのと同じこと。「Twitterとはそういうもの」という自制心は、発信する者として絶対に必要です。

    叩くことが目的の人は必ずいる

    また「彼女は日頃からよくツイッターで品の悪いジョークを飛ばしており」ということであるなら、れっきとした下地があって、元々快く思ってなかった人(つまりアンチ)もいたのでは?とも考えられるのです。反応が欲しい人ほど発言がどんどんエスカレートしていきますからね。

    アンチは冷ややかにウォッチしながらボロを出すのを虎視眈々と待ってます。なぜなら機会があれば叩いてやろう」という目的が先にあるわけだから、発言内容はなんでもかまわないし、むしろこの「差別発言」は、鬼の首を取りたいアンチにとっては絶好のチャンス到来の場。

    芸能人だってそうでしょ?挨拶と手料理ばかりでも、炎上する人は炎上してます。

    叩くことが目的の人は、理由なんていくらでもあと付けできます。チャンスがなくなって、無理くり探し出しては叩くネタを探し出すのです。叩くことのみが目的なんだから。

    Twitterの性質を知らないことが問題

    では全面的にアンチが悪いのかといえばそうではありません。

    確かに乗ってる飛行機まで調べたり、空港で待ち構えるなんていうのはやりすぎです。

    でも元々ネット上には一定数そういう人が必ずいるという自覚を持たなかったこの人も、うかつだったと思うのです。いくらフォロワーが少なかったとしても、クローズドでやってるわけではないのだから、その程度の想像力も働かないならTwitterには手を出さないほうが賢明です。

    叩かれたくないなら、叩かれそうな場の研究くらいは最低しておくべきです。

    特にTwitterはリツイート機能があるから広がりやすく、かつGoogle神という優秀な検索機能のおかげで、一度世に出された文章は、あとで慌てて消しても、ほぼ回収は不可能です。

    それをこの人がちゃんと理解をしていれば、ここまでの悲劇にはならなかったと思うのです。これはほとんどの炎上案件についても同じことが言えます。

    また”いいね!”や”リツィート”というのはTwitterに元々備わった機能だし、みんながみんな、誰かを貶める目的で使っているわけではありません。ブックマーク代わりとか、仲間内への合図──「読んだよ」みたいな使い方をしている人だっているはずです。

    なので冒頭の記事にあった「気軽な気持ちで行った”いいね!”や”リツィート”が、人生を壊す」のではありません。冗談と悪ふざけの境目がわからないセンスのない人が、「気軽な気持ちでTwitterを使ったこと」が、そもそもの間違えなのです。

    早い話がどっちもどっち。両者似たり寄ったりです。

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    このエントリーのタイトルである「ネットリンチで人生を棒に振らないために必要なこと」とは、境目の見極めです。どこまでがOKで、どこからがNGかをいま一度しっかり考えてみれば、Twitterが本来目指していた「自由なつぶやきの場」になるのではないでしょうか。

    最後に

    いやー、それにしても残念な事件。使い方を間違えて「バカ発見器」と言われるだけならともかく、人生を棒に振るだなんて、失ったものがあまりにも大きすぎます。

    炎上する人は、根本的にネットが向かない人です。

    ブログをやっていれば炎上のシーンを度々目撃するけれど、精神衛生上よろしくないので炎上する人はもちろんのこと、炎上芸人に執拗に張り付く人にも関わりたくないですね。

    そのスタンスこそが、ネットの平和を保つ秘訣です。君子危うきに近寄らずって言うでしょ?

    バカッターに捧ぐ。ネットリンチで人生を棒に振らないために必要なこと

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