組織崩壊の予兆を判断するたいせつなポイント

    組織崩壊の予兆を判断するたいせつなポイント
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    「組織の崩壊」とは、組織が組織として機能しなくなったことを意味します。

    崩壊はある日突然始まるのではなく、長い時間をかけてさまざまな問題の積み重ねが限界値に達したときに「手のつけようのない形」となって表面化します。

    そこに至るまでには必ずいくつもの予兆があります。

    崩壊の予兆はどの段階から始まるのでしょうか?

    それを知るには組織の誕生から崩壊までのプロセスを振りかえる必要があります。

    Contents

    組織誕生から崩壊までのプロセス

    私たちの暮らす社会には大小さまざまな組織があり、活動内容によって誕生のしかたもさまざまです。

    しかし崩壊するときはみな、似たり寄ったりです。

    組織の誕生〜希望に満ちた黎明期

    民間組織の場合、意欲的なリーダーの夢に周囲の人たちが賛同して「組織」らしきものが生まれます。

    夢の力

    困難が生じても、同じ目的に向かう熱意があるので、手探りの試行錯誤さえ楽しくこなす日々。

    ボランティア同然のハードな仕事に対して不平不満を口にするメンバーは少ないため、人間関係も円満。困難を乗り切るごとにチームの結束力・団結力は強まり、仲間意識も生まれます。

    安定期〜初代リーダーの交代

    組織の誕生から数年が経過。安定期の到来です。

    この頃になると活動が軌道に乗ってルーティーンが定まってきます。

    同時に次世代の流入も始まります。それまで平だった人が先輩になることで横の関係しかなかった組織に縦の関係が生まれ、人もどんどん増えていきます。

    それを何度か繰り返していくうちに、初代リーダーを下の世代が追い抜き、次期リーダーが誕生します。

    世代交代の問題

    世代交代がスムーズなら問題はありません。しかし初代リーダーの権力思考が強かったりすると、世代交代は難航します。

    新しい人が増える時期、世代交代の時期、権力の流れが変化するような時期は、人間関係に亀裂が生じやすいので要注意です。

    ただし何かトラブルが起きても小さな亀裂のうちに「崩壊の芽」をきちんと摘み取っておけば、大きな問題に発展することはないでしょう。

    円熟期〜メンバー同士の対立・優秀な人材の損失

    人も増えて活動も順調。組織はさらに大きくなり、傍から見れば組織は安泰そのものといったところですが、初期からのメンバーの中には下の世代に対する不満を持つ者も出てきます。

    人間関係の問題

    組織が大きくなればなるほどメンバー全員とのコミニケーションがスムーズにいかなくなり、リーダーだけでは組織の全てを把握するのは困難となり、その結果いくつかの派閥が生まれます。

    すると世代間の対立だけでなく派閥同士の対立も勃発しやすくなり、ギスギスした人間関係に嫌気がさして辞めていく人も増えてきます。

    この頃になると、チームとして「大切な何か」が失われているので、求心力は落ちてます。

    しかし「名誉」を重んじるためか、失われた「大切な何か」を追求しようとせず、表面だけの平和を無理やり維持しようとします。

    そのための強引な手法が同調圧力。多様性を認めあわず、どんどん狭めていくような世界は遅かれ早かれ崩壊します。

    能力のある人材の離脱

    辞める人の中には優秀な人材が含まれていることも多いので、チームの弱体化は避けられません。当然モチベーションも下がります。

    もしチームのルールがしっかり確立していれば、優秀な人が離れていくことを未然に防げるはずです。長く続いているチームはそういう危機を何度も乗り越えているので、チーム内のルールはしっかりしているはずですから。

    しかし崩壊するような組織はチームのルールが不明確なことが多いので、人の離散を防ぐことができません。脆いです。

    負担の増加とモチベーションの低下

    人が足りなくなれば残ったメンバーの負担も増すため、そこからの不満も出てきます。

    ここで徹底した活動の見直しをすれば、最悪の事態だけは防げるかもしれません。

    しかし問題解決能力のない無責任で無気力なメンバーが残されてしまえば、それも無理です。

    • 自分から何かをするのは損
    • 誰かがやってくれるだろう
    • 面倒な仕事からはうまく逃げよう
    • 優秀なイエスマンになろう

    無責任な人の頭の中は逃げと受身、責任の擦り合いしかありません。

    こうして負のループを抜け出せないまま、加速度的に崩壊は進みます。

    モラハラ・脅し

    末期が近づくと、組織は辞めようとするメンバーに圧をかけます。

    ここを離れたら他ではやっていけないぞ!

    辞めることへの罪悪感を植え付けて、恐怖で支配しようとします。

    早めに見切りをつける時期の判断がキモ

    人が離れる組織には、問題を問題として捉える能力の欠如・責任感の欠如・時代を見据える能力の欠如・問題解決能力の欠如など、なにかしらの問題があります。

    リーダーのチェック

    リーダーにそれらを解決する力が備わっているなら、崩壊という最悪の事態は避けられるかもしれません。

    しかし世代交代を繰り返していくうちに、中間管理職的な人材がリーダーに祭り上げられてしまうことも多いので、名ばかりのリーダーにそれを求めても時間の無駄です。

    もしあなたが所属する組織が「いずれ、そう遠くない将来崩壊するかも?」という危惧を抱くような場所だとしたら、まずはリーダーをチェックしましょう。

    自分では動かず、棚ぼた式に「優秀な人材がある日突然空から降ってくる」みたいなことを期待するような、脳内お花畑の人なら早めに逃げ出すことを考えた方がいいです。

    どんなメンバーか?

    次に、残る人たちの顔ぶれも見てみましょう。

    自分さえ良ければいいという人・仲間のように接しておきながら利害が無くなった途端に平気で裏切り、安全なところから叩くような卑怯者しかそこに残らないとしたら、残る理由はありません。早めに脱出しましょう。逃げ遅れると地獄です。

    逃げ出す時期の見極めがキモ

    一年ほど前、私はレディース競技のクラブを辞めました。

    いろいろヤバいポイントはありましたが、決定打は優秀な人が離脱したときです。本能的に「ここ、そろそろヤバいぞ」と思いました。

    蒼 じゅりあ

    これ以上泥舟には乗りたくない!

    その一心から数年かけて活動場所を確保し「辞めてもやっていける」と思った時にクラブを離れました。

    私の離脱はスムーズでした。その時はまだ、部員数が今ほど危機的状態ではなかったからです。

    「まだ人ならいくらでもいる」と、先方もあぐらをかいていたのだと思います。

    これを逆に言えば、壊滅的になる前に逃げ出すのがベストだということです。

    その驕りが裏目に出て私が辞めた後も辞める人が続出。たったの一年でクラブはガタガタです。

    それにとどまらず、あと一年後に12人の部員が辞める予定だそう。内部分裂の典型です。

    一方残る予定の人たちは、「残る人たちが困ることがわかっていながら示し合わせて12人が一緒に辞めるなんてひどい。私たちを見捨てるのか?」みたいなことを言ってるようです。

    残った時間をどう使うか?

    あと一年の猶予があるなら、考える時間はじゅうぶんあるはずです。残る人たちで力を合わせて継続するか、それが無理だと思うなら、共に辞めるかのどちらかです。

    この話を聞いたとき、私は早く辞めて本当によかったと思いました。

    私の想像ですが、彼女たちは残された一年を有意義に使うことなどできないでしょう。

    残る人は辞める人を責め立てるだけ。一方辞める予定の人たちも「私たちにはもう関係ない」とばかり、「あなたたちで勝手にやれば?」となるのが目に見えてます。

    方向性が真逆になった者同士が顔をつき合わせて活動するこれからの一年間は、ギスギスとした重苦しい空気が漂うものと予想されます。

    最後は自分ファースト

    辞める決断をするのはとても勇気がいります。でも逃げ遅れたら地獄という組織があるのも事実です。

    「崩壊止む無し」と思えるような場に身を置いた時は、どっちつかずの態度は命取り。自分のことを第一に考え、「将来どうありたいか」をイメージしながら行動を起こすことが重要です。

    組織崩壊の予兆を判断するたいせつなポイント

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