Essay

「共通の敵」で団結したグループが長続きしない理由

「共通の敵」で団結したグループが長続きしない理由

「あいつ、むかつく」と、ポロッと出た本音に「わかる、わかる、マジむかつくよねー」みたいな肯定の言葉を誰かが発したとたん、両者の距離がグンと縮まるのはどこの世界にもよくあること。女性同士は特に。

でもこれだけは言えます。「共通の敵」で結びついた関係は脆弱なものです。最初のうちは良くてもいずれは破綻します。以下でその理由をお伝えします。

味方と友達は別物

「敵」というのは戦うべき相手、目障りな相手、自分の嫌いな相手のこと。

目的が「その人(敵)を蹴落とすため」なら味方は誰でもいいのです。極端なことを言えば、好きじゃなくても「ターゲットを潰す」という共通の目的さえ満たしていればいい場合もあります。

みんなで叩きたい場合は特に、頭数稼ぎをしたくなりますから。

でも友達は誰でもいいというわけではありません。友達であることに目的も利害関係もいりませんし、理由や動機づけも不要です。

「共通の敵」についての悪口大会で盛り上がってるその時だけは、ちょっとした憂さ晴らしで楽しいかもしれません。「この人、私の気持ちをわかってくれる。だから話が合う」と勘違いするかもしれません。

でも実は違って「話を合わせているだけ」「私の気持ちをわかっているフリをしているだけ」の場合もあります。

共通の敵を作ることで結びついた関係の中には必ず味方のフリをする、友達ヅラをする調子のいい人がいます。

実はそういう人こそがいちばん厄介。そういう人はおしなべて自分のことしか考えられないタイプゆえ、部が悪くなれば我が身かわいさで平気で裏切ります。

それが「友達」との最大の違いであり、共通の敵で結びついた関係が破綻しやすいのはこのためです。

見ているのは「共通の敵」であり互いを見てない

誰かの悪口で盛り上がっているときというのは、両者の関心はこの場にいない悪口のターゲットに(敵)に向いてます。

そういうときは一緒にいるのに互いのことを見てません。向き合っていても相手のことを見てないというのは、味方よりも敵に関心がある証拠です。

なぜそうなるのでしょうか?

それは味方を信頼しきれてないからです。もし本当に味方として信頼できる間柄なら、味方よりも敵に関心があるなんてことはまずありえません。いざとなれば自分の身は自分で守らないといけないというのがわかっているからそうなるのです。

互いに関心がない。自分のことしか考えてない。自分の利益が最優先。信頼に基づかない関係。でも戦う目的があるからいつも行動を共にしなければならない。

そもそも自分が嫌いだからといって、周囲を巻き込んでまで戦う必要がどこにあるのでしょう?

戦国時代じゃあるまいし、そんな不自然な関係が長続きするわけはありません。やがて破綻するのは必然です。

一緒に居すぎることの脆さ

特にいつも誰かとべったりつるんで、何をするのもどこに行くのも一緒でないと不安で仕方がないという大人らしからぬ関係は、特に脆いです。

噂話や悪口を好む同調圧力の強い人たちの集まりというのは、距離が近くなればなるほどお仲間同士で足の引っ張り合いが起こりやすくなります。

実際に、一見仲良さそうに見えるのに、その人がいなければお仲間同士の陰口を叩いている光景を何度となく見せつけられたことがあります。

その理由は、近視眼的に相手のことを見てしまうから。そうなってしまう原因は、信頼関係もないのに互いの距離が近すぎること、一緒に居すぎること、構成メンバーがその世界が全てで生きる世界が極端に狭いこと、などが挙げられます。

大人としての距離感を知らない人ほど特にこの傾向が強いです。

仲間づくりはほとほほどに


もうすぐ新年度。新しい世界に飛び込む人も多いでしょう。

新たな人間関係で思わぬトラブルに巻き込まれないためには、最低でもキナ臭い戦闘地域には足を踏み入れないことをオススメします。敵・味方という関係ではなく、信頼できる本物の友達を見つけてください。

そのためには躍起になって仲間づくりにはげむ人には裏がある、親切ヅラして距離感無視してグングン近づいてくる人、探りを入れてくる人、いつも愚痴・噂話・悪口・告げ口が多い人は要注意という危険センサーをしっかりと張り巡らせ、つかず離れずの適度な距離感を保って相手をじっくり観察しましょう。

噂話に参加などしなくても、時間の経過とともにおのずとわかってくることはたくさんあるはずです。

友達や仲間なんてものは自然とできてくるものであって、躍起になって作るものではありません。その「自然と出来上がる過程」の中で本物の信頼関係が作られていくのです。その関係は「共通の敵」のおかげで結びついた関係なんかよりも、はるかに強固なものになるはずです。

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蒼 じゅりあ
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サイト名の「Un Jour」とは、フランス語で「ある一日」という意味です。日々の記録・エッセイをまったりと綴っていきます。
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